Parque nacional y natural de Doñana

( ドニャーナ国立公園 )

ドニャーナ国立公園は、スペインのアンダルシア州にある国立公園。ウエルバ県とセビリア県にまたがっている。ヨーロッパでも最大級の自然保護区である。ユネスコの世界遺産に登録されているほか、生物圏保護区、ラムサール条約登録地にもなっている。

この国立公園は、毎年50万羽以上の渡り鳥や水鳥たちが越冬地に選ぶ楽園であるだけでなく、多くの動植物にとっても良好な避難所となっている(後述#生態系参照)。スペイン南部のアンダルシア地方のカディス湾沿岸に位置し、大西洋に注ぐグアダルキビール川右岸に広がっている。

伝説によれば紀元前、この地域にはタルテッソス王国があったとされ[1]、また、2009年より行われた調査によって伝説の都市アトランティスがこの地の湿地帯の下に眠っている、といった発表もあった[2]が、物的証拠としての最古の遺跡はいくつかのローマ遺跡が現存しているのみである[1]。この一帯にある湿地は2000年ほど前はローマ人の手紙でも言及されている湖であったが、その後堆積物により現在のような姿に変化した[3]。

この地域は15世紀から当時の貴族の狩猟場として保護されていた[4]。16世紀にメディナ=シドニア公だったアロンソ・ペレス・デ・グスマンが、その妻アナのための宮殿をこの辺りに建てたことから、ドーニャ・アナ、すなわちドニャーナという地名となった[5]。以降、18世紀までは狩猟場としてのみの存在であったが、18世紀以降はさらに伐採、牧畜にも利用されるようになり、19世紀からは科学者や博物学者が鳥類の卵や剥製を目当てに訪れるようになった[6]。このように中世においては貴族による保護のおかげで結果的に自然は維持されてきたともいえる [7] 。また、湿地やその近くはマラリアなどの発生が危惧された結果、人が寄り付かなかったとも言われている[8]。

1963年、開発や観光による希少生物への影響が懸念されていた [9] この地域で、スペイン政府とWWFが協力して約7000ヘクタールの土地を取得し、ドニャーナ生物保護区を設置した[6]。ドニャーナ国立公園となったのは1969年であった。その後1978年、2004年に区域の拡大が行われている[10]。世界自然遺産に登録されたのは1994年であった[11](後述#世界遺産も参照)。

1998年4月近隣にある鉱山のダムから有害廃棄物が大量に排出されるという事故があり、生態系への影響が懸念される事態となった[12]。実際の影響としては魚類だけでも30トン相当が犠牲になったとされる [13] 。除去作業は同年11月末までにほぼ完了したものの、一部の酸性水が本公園の地下水に浸透した可能性と、それによる動植物への影響も指摘されており [14] 、2011年現在でも懸念材料となっている[15]。なお、この事故が発生する可能性は1995年ごろから認識されていたという指摘もあるが(会社側は認識してなかったことを主張、またダム建設業者の強度計算ミスもあった)、事故の後処理については「即時の操業停止」およびスペイン政府と協力しての「除去作業」と、類似した事故への対応の模範と評価もされている[14]。また、公園外ではあるが製油所の拡張計画とこれによるタンカー増にともなう偶発的な事故の懸念 [16] や石油パイプライン建設の計画もあり、これも注視されている[17]。

^ a b スペイン政府観光局 2011, p. 35 ^ 「津波で沈んだ」、としている。“Lost city of Atlantis, swamped by tsunami, may be found”. ロイター通信. 2013年5月1日閲覧。 ^ F.Carrascal 2010, p. 22 ^ 畠中 2012, p. 293 ^ 畠中 2012, pp. 293–294 ^ a b 畠中 2012, p. 294 ^ “ドニャーナ国立公園”. 「小学生のための世界自然遺産プロジェクト」ユネスコキッズ実行委員会. 2013年5月1日閲覧。 ^ F.Carrascal 2010, p. 23 ^ “WWFの歴史(2)最初の活動”. WWFジャパン. 2013年5月1日閲覧。 “絶えず地域開発や観光によって脅かされ” ^ これは「世界遺産の登録範囲」の拡大ではないことに注意。 ^ 畠中 2012, pp. 294–295 ^ ユネスコ 1998 ^ 京都大学;長崎大学;名古屋大学 (2012年). “経済的価値の内部化による生態系サービスの持続的利用を目指した政策オプションの研究-最終研究報告書”. 平成23年度 環境経済の政策研究. 財団法人地球環境戦略研究機関. p. 34. 2013年5月1日閲覧。 ^ a b 畑村洋太郎. “廃サイダムの決壊で汚泥が流出”. 畑村創造工学研究所. 2013年5月1日閲覧。 ^ ユネスコ 2011,"Factors affecting the property identified in previous reports"のa)。 ^ 地域連絡会議 (2010年10月15日). “第34回世界遺産委員会の概要” (PDF). 第14回地域連絡会議. 小笠原自然情報センター. 2013年5月1日閲覧。 ^ ユネスコ 2011,"Current conservation issues"
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