TK-Elevator-Testturm
( ロットヴァイル試験塔 )ロットヴァイル試験塔(ロットヴァイルしけんとう、英語表記: Rottweil Test Tower)とは、ドイツ南西部のバーデン=ヴュルテンベルク州にある都市ロットヴァイルに所在するエレベーター試験塔。ドイツ資本のエレベーター・メーカーであるティッセンクルップ・エレベーター(ティッセンクルップ社の子会社)が所有する。2017年竣工。地上高 246.0 m。
2013年に設計され[1]、2014年に着工[1]。2017年に竣工した[1]。
世界ランキング完成した時点で、コネ社が2015年に中国の江蘇省崑山市に建てた地上高 235.6 mの「コネ エレベーター試験塔 (KONE Test Tower, 2015)」[2]を抜いて、史上最も背の高いエレベーター試験塔に躍り出た。
ただ、早くも明くる2018年になると、ティッセンクルップ・エレベーター社の中国現地法人である蒂森克虜伯扶梯(中山)有限公司 (Zhongshan Thyssenkrupp) が地上高 248 m[3][4][5]の Zhongshan Thyssenkrupp Elevator Laboratory Tower[5](※現地中国語通称:中山蒂森电梯试验楼[5];中山蒂森電梯試験楼、中山的扶梯试验塔[6];中山的扶梯試験塔)を中国広東省の中山市南区城区に完成させた(3月23日落成)。この塔は、エレベーターシステム「MULTI」の試験塔としては、ロットヴァイル試験塔に次ぐ2棟目であった。また、同じ年、キャニー・エレベーター社 (Canny Elevator Co., Ltd.) が地上高268 m(地下深度 20m、建物全高 288 m)の「キャニー エレベーター試験塔 (Canny Test Tower, 2018)」を中国江蘇省に完成させた[7]。これにより、高さにおいてロットヴァイル試験塔は世界第3位に順位を下げた。
2020年代後半は中国本土で超高層建築物の建設ラッシュが続いて時代であり、世界の大手エレベーター・メーカーがこぞって中国本土に史上最高クラスの試験塔を建設していった。高さランキングで世界のトップ6以内に入る試験塔のうち、中国本土以外で建設されたのはロットヴァイル試験塔のただ1棟のみという状況であった。
2021年時点で、高さ第1位は、2020年(令和2年)に中国広東省の広州市で竣工した日立グループのH1 TOWER(地上高 273 m)であり、ロットヴァイル試験塔は第5位にランキングされている。
旧市街と試験塔歴史ある都市ロットヴァイルのことで言えば、13世紀から14世紀にかけて建立されたカッペレン教会 (de) の聖堂(地上高 70.27 m)[8]と、13世紀から16世紀にかけて建立された聖クロイツ・ミュンスター教会 (cf. de) の聖堂(地上高 71 m)[8]が、長らくこの都市で抜きん出て背の高い2つの建物であったが、21世紀に登場したロットヴァイル試験塔に首位の座を譲った[9]。旧市街からよく見える地域に巨大な塔が聳え立つことについては、歴史的景観に悪影響をもたらすとの懸念も無いわけではなかったが[9]、市民は好意的に見ている人が多い[9]。
コメントを追加