ワーディー・ラム(アラビア語: وادي رم、ラテン文字:Wadi Rum、ワディ・ラムとも表記、月の谷 - وادي القمرとしても知られる)はヨルダン南部・アカバ県の県都アカバより東に約60kmの地点に位置する砂岩と花崗岩でできた谷であり、ヨルダン最大のワーディー(涸れ川)である。ラムの名前はアラビア語で「高い」を意味する語根に由来していると考えられている。フスハー(正則アラビア語)の発音と対応させるため、考古学者は通常ラテン文字では「Wadi ramm」と表記する。
2011年、第35回世界遺産委員会にて複合遺産に「ワディ・ラム保護区」として登録された。アラビアのロレンスをはじめとする映画の撮影場所としても知られる。
ワーディー・ラムにあるペトログリフ
ワーディー・ラムは先史時代より多くの人類文化を育んできた。ワーディー・ラムにはナバテア王国の人々が残した壁画、落書き、遺構などが残されている。
西洋においては、ワーディー・ラムはイギリスの将校トーマス・エドワード・ロレンス(1917~1918年に起きたアラブ反乱中数回に渡りワーディー・ラムを通った)に縁のある場所として名高い[1]。1980年代、ワーディー・ラムにある砂岩の一つがローレンスの書籍から「知恵の七柱(The Seven Pillars of Wisdom)」と呼ばれるようになった。しかし、ローレンスの書籍で取り上げられている「七柱」はワーディー・ラムと何の関連もない。
^ Ham, Anthony; Greenway, Paul (2003). Jordan. Lonely Planet. p. 212. ISBN 978-1-74059-165-22014年5月3日閲覧。
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