生きている根の橋(いきているねのはし)とは、生きている樹木の根により作られた、簡易な吊橋の一種である。北東インドのメーガーラヤ州の南部で見られる。根の橋は、シロン高原の南部に沿った山岳地帯のカーシ族とジャインティア族によって、インドゴムノキ(Ficus elastica)の気根から手作りされている。根の橋の多くは海抜50〜1,150mの温暖湿潤気候の広葉樹林の急傾斜地に生育している。
生きている根の橋は、それを形成する元の樹木が健康である限り、自然に太く、強くなる。木の寿命が尽きるまで新しい根が成長する可能性があり、橋を維持・強化するためには剪定や手入れをしなければならない。ひとたび成熟すれば、50人以上の人が渡れたり、最長で150年の寿命を持つこともある。積極的な手入れをしなければ、多くの場合、崩壊したり野生化して、使えなくなる。根の橋は、インドのナガランド州でも確認されている。
生きている根の橋は、インドネシアのスマトラ島のジェンバタンアカールと、ジャワ島のバンテン州でも、バドウィ族の人々によって作られている。
カーシ族の人々は、根の橋の伝統がいつ、どのように始まったかを知らない。メーガーラヤ州の都市、チェラプンジにある根の橋の最古の書面による記録は、1820年生まれのイギリス人のヘンリー・ユール中尉によるもので、1844年のベンガル・アジア協会誌にその驚きが記されている[1]。
^ Lewin, Brent (November 2012), “India's living Bridges”, Reader's Digest Australia: 82–89, オリジナルの2012-11-16時点におけるアーカイブ。
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