Človeška ribica ( ホライモリ )

ホライモリ(Proteus anguinus)は、両生綱有尾目ホライモリ科ホライモリ属に分類される有尾類。現生種では本種のみでホライモリ属を構成する。

ヨーロッパで見られる洞穴性の生物(洞穴生物)として唯一の脊椎動物である。アホロートルのように幼形成熟することが特徴で、生涯に渡って外鰓を持ち水から出ることはない。ディナル・アルプス山脈のカルスト洞穴の固有種で、スロベニアからイタリアのトリエステに流れるソカ川流域から、クロアチア南西部、ボスニア・ヘルツェゴビナに分布する。洞穴への適応として、眼は発達しないが聴覚・嗅覚や電気・機械受容器などは非常に鋭敏である。前肢・後肢の指は通常の両生類より少ない。

体色が白く白人の肌に似ていることから、スロベニアでは"人の魚"を意味するスロベニア語: človeška ribicaまたはクロアチア語: čovječja ribicaと呼ばれる。英語では "olm"・"proteus"(プロテウス)・"cave salamander"・"white salamander"とも呼ばれる。スロベニアでは"湿り気に潜る者"を意味するmočeril という名もある。本種に関する最初の言及は1689年のヤネス・ヴァイカルト・ヴァルヴァソルの著作に遡る。 本種をドラゴンの幼体であるとする民間伝承もあり、ドラゴンズベビーとの呼び名もある。 クロアチアの天然記念物であり、本種を日本で唯一見られるのは、愛・地球博での展示を寄贈された、愛知県碧南市にある碧南海浜水族館だけである。