サーン・アバスの巨人(Cerne Abbas Giant)はイギリス南西部のドーセットにあるサーン・アバスの村の近くの丘陵に描かれた地上絵(ヒルフィギュア)である。高さは55メートルにおよび、右手に大きなこん棒を持った裸の男性が描かれているが、この絵が有名なのは何よりもこの裸の男性が勃起しているからである。サーン・アバスの巨人は、一般的なヒルフィギュアと同様に、草地に細い溝を掘ってアウトラインをつくってから細かな石灰岩を埋め戻すことで描かれている。イギリスの指定遺跡にもなっており、現代ではナショナル・トラストがこの地を所有している。
巨人の起源や制作された年代についてははっきりしていないが、時代が下るにつれてその一部が失われたり、修正されたり、付け加えられていることが考古学的な調査からわかっている。この巨人に言及している最古の文書記録は17世紀後半に遡る。かつての好古家はその姿をサクソン人の崇拝した神と結び付けようとしたものの、証拠には乏しかった。あるいはローマ・ブリトン文化におけるヘラクレスまたはヘラクレスと別の誰かが混合した姿であるという説も立てられている。17世紀以前の文献には言及がないことから、18世紀の好古家であるジョン・ハッチンスが得た情報を手がかりに、巨人は17世紀につくられたのだと結論づけた学者もいたが、新たに登場した光ルミネッセンス年代測定法により、その起源は西暦700年から1110年の間ではないか(おそらくサーン修道院が近くに建てられた10世紀頃)という可能性が示された。
その起源や年代はともかくとして、サーン・アバスの巨人は現地の文化や民間伝承において重要な位置を占めているのは間違いなく、豊穣や多産の象徴でもある。さらにイギリスで最も有名なヒルフィギュアの1つであることから、観光名所にもなっている。
イギリスには、もう一つの非常に有名な巨人のヒルフィギュアであるウィルミントンのロングマンがある。こちらはイースト・サセックスのウィルミントン近郊にあり...続きを読む
サーン・アバスの巨人(Cerne Abbas Giant)はイギリス南西部のドーセットにあるサーン・アバスの村の近くの丘陵に描かれた地上絵(ヒルフィギュア)である。高さは55メートルにおよび、右手に大きなこん棒を持った裸の男性が描かれているが、この絵が有名なのは何よりもこの裸の男性が勃起しているからである。サーン・アバスの巨人は、一般的なヒルフィギュアと同様に、草地に細い溝を掘ってアウトラインをつくってから細かな石灰岩を埋め戻すことで描かれている。イギリスの指定遺跡にもなっており、現代ではナショナル・トラストがこの地を所有している。
巨人の起源や制作された年代についてははっきりしていないが、時代が下るにつれてその一部が失われたり、修正されたり、付け加えられていることが考古学的な調査からわかっている。この巨人に言及している最古の文書記録は17世紀後半に遡る。かつての好古家はその姿をサクソン人の崇拝した神と結び付けようとしたものの、証拠には乏しかった。あるいはローマ・ブリトン文化におけるヘラクレスまたはヘラクレスと別の誰かが混合した姿であるという説も立てられている。17世紀以前の文献には言及がないことから、18世紀の好古家であるジョン・ハッチンスが得た情報を手がかりに、巨人は17世紀につくられたのだと結論づけた学者もいたが、新たに登場した光ルミネッセンス年代測定法により、その起源は西暦700年から1110年の間ではないか(おそらくサーン修道院が近くに建てられた10世紀頃)という可能性が示された。
その起源や年代はともかくとして、サーン・アバスの巨人は現地の文化や民間伝承において重要な位置を占めているのは間違いなく、豊穣や多産の象徴でもある。さらにイギリスで最も有名なヒルフィギュアの1つであることから、観光名所にもなっている。
イギリスには、もう一つの非常に有名な巨人のヒルフィギュアであるウィルミントンのロングマンがある。こちらはイースト・サセックスのウィルミントン近郊にあり、サーン・アバスの巨人同様に指定遺跡に選ばれている。
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