モナコ=ヴィル (フランス語: Monaco-Ville、モナコ語: Munegu-Vila)は、モナコの地区。公国最古の地区であり、一般的には『モナコ岩』(Rocher de Monaco)として知られている。
この地には、マッサリア(現在のマルセイユ)からやってきたフェニキア人たちが紀元前6世紀にMonoïkosという植民地を築いていた。Monoïkosはヘーラクレースと関連付けられ、Hercules Monoecusとして崇拝された。ヘーラクレースの偉業によると、またシケリアのディオドロスとストラボンによると、ギリシャ人とリグリア人はヘーラクレースがこの地に渡ったと伝えた。
1215年6月10日、フルコ・デル・カッセッロに率いられた、撤退するギベリンたちが、モナコ岩の上に要塞の建設を始めた。岩を戦略的要所として地域の支配権を確立するためである。彼らはまた、守備隊を支えるため岩の基地に住宅を建てた。ジェノヴァ共和国や周辺の町の住民たちをひきつけるため、彼らは土地を提供し、新規移住者への課税を免除した。
1297年1月8日、1133年にジェノヴァ共和国のコンスルであったオットー・カネッラの子孫フランソワ・グリマルディが、要塞を掌握した。小規模な軍隊しか持たなかったにもかかわらず、グリマルディはフランシスコ会修道士の扮装をし、兵士をだまして扉を開かせた。このエピソードから、彼のニックネームであるMalizia(悪者)がつけられた。このため、現在のモナコ軍の紋章には、剣で武装した2人のフランシスコ会修道士が描かれているのである。
1911年に公布されたモナコ憲法は、公国を3つのコミューンに分割した。このときモナコ=ヴィルはコミューンとなったが、1917年に公国全体で単一のコミューンとして再編された。
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