アナディリ(ロシア語: Ана́дырь アナードィリ、ラテン文字転写の例:Anadyr’)は、ロシアの最東端のチュクチ自治管区南東部にある自治管区の行政中心都市。人口は1万3202人(2021年)。チュクチ語では、カギリン(Кагыргын、Kagyryn)と呼ばれる。
ロシアでも最も東にある都市である。アナディリ川の河口にあり、ベーリング海のアナディリ湾に面する。1889年8月3日にノヴォ・マリインスク(Ново-Мариинск)として設立され、1923年8月5日、17世紀にこの地を探検したセミョン・デジニョフが河岸に建設したアナディリ砦にちなんで現在の名となった。1930年に自治管区が成立し、1932年にその首都となった。1965年1月12日に町に昇格した。
人口は減少傾向にあるが、ロシア最大の寡頭資本家の一人・ロマン・アブラモヴィッチが2000年に自治管区知事になって以来、鶏舎など農漁業施設の開設、2001年のガス田の操業と2002年からのパイプライン開通、新行政管区庁舎建設や医療・初等教育の充実、ホテル改装など経済の立て直しが進む。
町はアナディリ湾の内側にある重要な漁港・港町である。またロシア極東の各都市やモスクワとの定期便の飛ぶウゴリヌイ空港があり、アラスカのノームへのチャーター便も飛んでいる。
ソ連時代にはこの街を基準とする“アナディリ時間”(MSK+10)という標準時が設定されていたが、1982年4月1日にカムチャツカ時間(MSK+9)に統合された。詳細はロシア時間を参照。
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